まずはじめは生地選び。 国内外問わず、テーラー(仕立て職人)と我々STAFFが選び抜いた1,000種類以上の生地の中から、
お好みの色や柄、素材などをお選びいただけます。
さらに、様々な会話の中でのご希望や条件、好みをふまえ、我々からも生地のご提案をさせていただきます。
とにかくコミュニケーションが大事なこの工程。
お客様のお好みやご希望を伺うのはもちろん、現物のない中、より一層イメージを掴んでいただけるよう、その場でデザインラフ画を作成。
お客様のライフスタイルやお使いのシーンを伺い、トレンドだけではないデザインやディテールを提案。
釦・襟・ポケット・ベンツ・ショルダー・裏地・内側各所の仕様・・・ 決めるディテールは盛りだくさん。 話して話して話しまくる、オーダーらしい楽しいひとときです。
採寸はスーツを仕立てる上で最も重要なポイントです。
当店では20~30箇所に及ぶお客様の細かい寸法をはかります。 テーラーが直接お客様の体型を採寸し把握することで、
千差万別である人それぞれの体の特徴に合わせた型紙作成や裁断へつながります。
採寸させていただいた寸法・肩の形状・胸の形状など細かい寸法データをまとめ、唯一無二のスーツデザインを手作業で型紙におこします。
仕上がった型紙はすぐさま生地に合わせ手裁断。
全て手作業で行うこちらの工程もフルオーダーならでは。手の作業は、ご希望のデザインやシルエットを自由自在に形にすることを意味します。
裁断された生地を、しつけ糸で実際のサイジングでのスーツの形に縫い上げます。
手でアイロンを当てながら、生地にクセをつけ、お客様の体型に合わせたくせとりをしながら仮縫いをすすめることで、
より完成度の高い、仮に縫い上げたスーツが出来上がります。
仮縫いの服を全てほどき、フィッティング時の細かな補正を型紙や生地に落とし込み、慎重にカッティングをします。
実際にお会いし、コミュニケーションの中で感じ得たお客様の好みや、体型の特徴をもとに、お客様をイメージしながらカッティングを進めることができるのが重要な工程です。
当店では仮縫い時にもこの工程をおこないますが、手作業でクセをとっては縫製し、縫製してはクセをとる。
簡単に言ってしまえば、人間の体にあわせ、生地に沿って湾曲をもたせれば、着用していただいた時にシワがなくなり、綺麗なシルエットになります。
芯据え・かんぬき・ハ刺し・袖付といった様々な工程を、機械やミシンでは出せない “手の業” で丁寧に作業します。
仕立てのまとめとなるプレス工程も、当店では手作業で時間をかけながらアイロンワークを施します。
さらには仕上げのまつりぬいもテーラーの手縫い。最終仕上げは徹底した手作業で仕上げるのがAnello流。
絶妙なアイロンワークにより、体の凹凸ラインに沿って自然な湾曲を持たせ、着心地の良い形状に生地自体を形成してゆきます。
生地 CANONICO (ITALY) Wool 100%
ウインドペーンの柄は、遊び心がありつつも、クラシック感や貫禄の雰囲気の増す生地といった印象の生地として人気。今回は『ビジネスシーンでの着用がメイン』との事だったので、通常より衿を細く仕上げ、クラシックさだけではなく、シャープな印象になるようにも心がけました。
(シングルジャケット・ダブルベスト)
生地 CANONICO(ITALY) Wool70% Mohail30%
『普段はあまりスーツを着ない』『レトロな感じが好き』との事から、クラシックなイメージに。ベストはダブルにし、衿をカーブさせることで、定番のグレンチェックもひと味違った仕上がりに。
生地 ALFRED RODINA(ITALY) Wool70% Mohail30%
『既製のスーツでは表現できない、絶妙なタイトシルエットとパンチのきいたディテールが希望』、『おもに秋冬のパーティーシーンでの着用がメイン』とのことから、柄が際立ち華やかな雰囲気もでながら、季節感もある、紡毛素材の生地を提案させていただきました。 無地生地の多いベストの背裏には、ジャケットの裏地と同じ、光沢のあるペイズリー柄をセレクト。 結婚式など、ジャケットを脱ぐ場面でもぬかりなく、を心がけました。